7.素因数分解の利用(2)

【類題】
 (1)96にできるだけ小さい自然数を掛けて,ある数の2乗にしたい。どのような数をかければよいか。


 (2)√525a(√の中が525a)の値を,0でないできるだけ小さい整数にしたい。整数aの値を求めなさい。



【考え方】
どちらも,「96や525に『何か』を掛けたもの」が,ある数の2乗になればよい。「何か」をさがすために,素因数分解だっ!



【解】
 (1)96を素因数分解すると,96=25×3
                    =2×2×2×2×2×3
   2が5個と,3が1個掛け合わされている。素数の偶数乗の積にするには,2が1個,3が1個余計だ。
   これに,2を1個と3を1個掛ければ,

   2×2×2×2×2×3××
  =2×2×2×3×2×2××
  =(2×2×2×3)×(2×2××)

   となるので,×=6 を掛ければよい。

なお,極端な話,96には96を掛ければ,(96の)2乗になるが,これでは,できるだけ小さい自然数という条件が満たされない。残った2が1個,3だけを生かすこと。

また,この問題が,「96をできるだけ小さい自然数で割って」であっても,同じ結果になる。

(答え)6



 (2)√aは,「2乗するとaになる数(aの平方根)のうちの正の方」である。
    √付きの数を整数にしたいということは,√なしの数にする,すなわち,「ルートを外せ」ということ。
    √9のように,√の中の数が何かの2乗になっていれば,√を外すことができる。(√9=√32=3)

    ※ 平方根がヤバイ人は,フリーページ「ヘイヘイホー・へいほうコ~ン」をお読みください。

    525を素因数分解すると,525=3×52×7
                     =3×5×5×7
   素数の偶数乗の積にするには,3が1個,7が1個余計だ。
   これに,3を1個と7を1個掛ければ,

   3×5×5×7××
  =3××5×5×7×
  =(3×5×7)×(×5×)

   となるので,×=21 を掛ければよい。

   なお,√を無視して説明したが,√付きだと,
   √(3×5×7)×(×5×)
  =√(3×5×7)2
  =√1052
  =105 となる。

(答え)21


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